個展開催前、今回のテーマについてのエピソードを少し書きます…と言いながら、
気がつけば個展終了まであと4日となってしまいました。
先週末も台風、今週末も台風、さて一体どうなってしまうのかしら。
「スカートしか履きたくない」
娘が言い放ったのはいつだったか、まだまだずっと小さい頃。
親が与えたわけでもなく、お姫様グッズとはむしろ縁遠い生活をしていたと思うのですが
長女は知らぬ間に「お姫様」になっていました。
スカートがいい。
ふわっと広がるスカートがいい。
ピンクがいい。
ピンクじゃなきゃいや。
リボンをつけたい。
カチューシャが欲しい。
娘の"girly"への憧れは留まるところを知らず。
はじめの間は、着替えのたびにあれこれ文句を言われるので
「もう面倒くさいなぁ…」と呆れていました。
ある日フレアスカートを履いていた私が、洗濯物を畳もうと床に座った時のこと。
「お母さん、もう一回やって」
娘が目をキラキラ輝かせ、憧れでぼうっとした顔つきで言いました。
「え?なんのこと?」と、私。
「今、座る時に、スカートが、ふわっ!ってなったの!」と興奮気味に娘。
空気を含んだ私のスカートが、しゃがみ込む瞬間にぼわっと広がったのを娘は見たのでした。
もう一度立ち上がって座り直すと
「いいな〜!いいな〜!大きくなったらこんなスカートが履きたいな〜!」
とくるくる回りながら大はしゃぎ。
その時の彼女の純粋な憧れの表情に、私は心打たれました。
大きくなっていくにつれ、きっと複雑な感情が目覚めてきます。
「女の子らしく」あることへの反抗、疑問、恥ずかしさ。
私は小学生の頃、スカートやピンク色を毛嫌いしていました。
「可愛いもの」「綺麗なもの」に真っ直ぐに惹かれる娘の姿を見ているうちに
たくさんの忘れてきたもの、引き出しの奥に仕舞い込んできたものを思い出しました。
絵の中にあるのは、子どもの頃の私の憧れ。
それから、大人の女性に憧れる子どもの姿への、
大人になってしまった私の憧れです。