Oct 10, 2014

「スカートしか履きたくない」







個展開催前、今回のテーマについてのエピソードを少し書きます…と言いながら、
気がつけば個展終了まであと4日となってしまいました。

先週末も台風、今週末も台風、さて一体どうなってしまうのかしら。




「スカートしか履きたくない」
娘が言い放ったのはいつだったか、まだまだずっと小さい頃。
親が与えたわけでもなく、お姫様グッズとはむしろ縁遠い生活をしていたと思うのですが
長女は知らぬ間に「お姫様」になっていました。

スカートがいい。
ふわっと広がるスカートがいい。
ピンクがいい。
ピンクじゃなきゃいや。
リボンをつけたい。
カチューシャが欲しい。

娘の"girly"への憧れは留まるところを知らず。
はじめの間は、着替えのたびにあれこれ文句を言われるので
「もう面倒くさいなぁ…」と呆れていました。


ある日フレアスカートを履いていた私が、洗濯物を畳もうと床に座った時のこと。
「お母さん、もう一回やって」
娘が目をキラキラ輝かせ、憧れでぼうっとした顔つきで言いました。
「え?なんのこと?」と、私。
「今、座る時に、スカートが、ふわっ!ってなったの!」と興奮気味に娘。
空気を含んだ私のスカートが、しゃがみ込む瞬間にぼわっと広がったのを娘は見たのでした。
もう一度立ち上がって座り直すと
「いいな〜!いいな〜!大きくなったらこんなスカートが履きたいな〜!」
とくるくる回りながら大はしゃぎ。
その時の彼女の純粋な憧れの表情に、私は心打たれました。



大きくなっていくにつれ、きっと複雑な感情が目覚めてきます。
「女の子らしく」あることへの反抗、疑問、恥ずかしさ。
私は小学生の頃、スカートやピンク色を毛嫌いしていました。

「可愛いもの」「綺麗なもの」に真っ直ぐに惹かれる娘の姿を見ているうちに
たくさんの忘れてきたもの、引き出しの奥に仕舞い込んできたものを思い出しました。




絵の中にあるのは、子どもの頃の私の憧れ。
それから、大人の女性に憧れる子どもの姿への、
大人になってしまった私の憧れです。










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