今朝は珍しく涼しくて、
家事もラクに出来るし呼吸もしやすい。
昨日、次女が浮き輪にアメピンを刺して穴をあけた。
まだひと月程前に勝ったばかりの浮き輪。
プールに行った時にふくらませて、そのまんまリビングに転がっていた。
私は「なんでそんなことしたの!?」と怒って、
次女は「ごめんなさーいーーー」と泣いて、
ほんとおバカだなあと笑ってなぐさめた。
穴は小さいのでビニールテープをバッテンに貼付けてとりあえず補修。
その夜、娘たちが寝静まった後、
ぼんやりとアメピンと浮き輪のことを考えていた。
次女の気持ちがよく分かる気がする。
お母さんは家事に忙しく
お姉ちゃんも宿題で相手をしてくれない。
自分だけ暇で時間を持て余し、
浮き輪に座ってぼんやりしていると、手の届くところにアメピンが置いてある。
なにともなしにそれを掴み、無意識に浮き輪に突き立ててみる。
浮き輪のビニールがグッと凹んで、
このまま押し込んでみたい、どこまで耐えられるか試してみたい欲求が起こる。
力をこめてみるとあっけなく浮き輪に穴が開いて
「あ…ヤバい」と我に返る。
どうして?って言われたって分からないんだ、ただそうしてみたかっただけ。
なんとなく気持ちよいから。先を知りたいから。
みんなそのビニールに穴をあけないように力を加減して暮らしている。
ギリギリまで行っても穴はあけないように、
穴があいたら元に戻れないし、ビニールの壁は結構強い。
でも無意識のところに、穴をあけてみたいという欲求があることは知っておいた方がいい。
そういうことは、簡単にたがをはずされるものだから。
集団的な洗脳状態で。危機的な(と見せかけられた)状況で。正義という名の下で。
退屈で、社会の中で、孤独で。
先日読んだ村上春樹のインタビュー(…と書きましたが対談でした)で、
先の大戦の反省を、一部の指導者の責任と押し付けて、
国民皆被害者にしてしまったのが良くない、ということが書いてあった。
知らず知らず考えが飛躍して背筋がゾクっとしたが、
とりあえず浮き輪に穴をあけるな、ということは言っておいて正解、と思った。
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